洗濯女の複合的感情

喜劇は、悲劇プラス時間 / Comedy is tragedy plus time.

映画『カメレオンマン』:傑作!洗濯女の渾身の想いを全人類に。

東京は今日も異常に暑いです。

でも洗濯女は夏が好きかつ気分が天気連動型なので、暑い日は結構調子いいです。

ただ暑すぎて食べたい物が麺かアイスかみたいになってきて危ないですね。

 

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麺かアイス(胡麻かけすぎ)

  

今日は、私が今のところ、いや、おそらく永遠に、

最も好きな映画「カメレオンマン」について語りたいと思います。

やっと語れる日が来た!わーい!

溢れ出るこの想い。

 

先に言いますが、これは、想像を超えるレベルで傑作です。

ここまでハードル上げても、更にそれを超えるレベルで傑作だと思う。

もし、予想を超えなかった場合は、もう一度この記事を読み直して、映画を何度も観て下さい。(謎の強気)

あ、あらすじは、各自適当に検索して下さい。笑

  

 

一応、概要だけ。

映画「カメレオンマン (原題 ZELIG)」(1983):

監督・脚本・主演 ウディ・アレンアメリカ、コメディ / モキュメンタリー、79分。

撮影は、ゴッドファーザーシリーズで有名なゴードン・ウィリス

カメレオンのように周囲の環境に順応し性格容姿をも変えてしまう能力を持つレナード・ゼリグというメンズを、コメディタッチのドキュメンタリーで描いた作品。らしい。

音楽も一々キャッチーで、とても素晴らしいです!

以下、ネタバレなしなのでご安心を。

 

 

【まとめ - 何がそんなに凄いのか】

凄いポイントは、主に以下3つです。

面倒 or 今忙しい方はここだけ読んで下さい。

 

1.  5つのテーマ/メッセージ後述の通りを、同時並行で取り扱い、たった80分で全て落としきっている。

こんな神業、いまだかつてあっただろうか。(とはいえ私は映画初心者。笑)

そして、これは、ウディ・アレン

人間の集中力や本気の興味は連続して100分しか持たない

ということを熟知してるからがゆえの、他者への配慮が最も現れている作品だと思う。

他人や大衆に迎合せず、自分が確立されていて、

自分の好きなものを創り続けているけど、

他者に観てもらうことを絶対忘れない、

その心優しさ!

感動。

この事を考えるだけで泣けます。(もはや病気)

 

2.  5つのテーマ/メッセージ自体は、1つのテーマ/メッセージで1本の映画になり得るレベルでわりと本質的かつ普遍的。仰々しくなりがちなのに、とにかく、分かり易い。

これは、簡単に言うと、

「馬鹿みたい!こんな架空の人いるんだ、うける~!すーごい笑える!!」

みたいなレベルにあえてしてくれている、ということです。笑

物事って、

ある程度のレベルに達すると、難しそうにみせるのは結構簡単だったりするけど、

シンプルにするのは物凄く難しい。

し、自分の中で消化/昇華しきれてないと完全にシンプルに落とし込めない。

天才。

 

3.  5つのテーマ/メッセージを同時並行で取り扱いつつも、結局宇宙の真理であろう愛で纏めているから、全く違和感なく纏まってる。そしてこの宇宙の真理であろう愛は、ウディ・アレン全作品の共通テーマ/メッセージ。

この愛については、

他にも世のいわゆる天才達はおそらく結局同じ処に行き着いていて、

(世のいわゆる天才達:例えば、オーソン・ウェルズベルイマンゴダールマイケル・ジャクソン 等。よくわかんないけど。)

ただ私はまだまだで、頭ではわかるけど体感としてそれがどういうものかわかるまでにはまだまだ行き着いていない。

なので、宇宙の真理であろう、という表現止まりで、断言はできません。笑

あ、ちなみに、この宇宙の真理は、後述の5つのテーマ/メッセージ⑤と関連してます。

 

  

5つのテーマ/メッセージ

凄いポイントを上記3つに絞った上で、

5つのテーマ/メッセージを解説します。

5つのテーマ/メッセージって連呼しすぎて偏った人みたいだなぁ・・笑

「カメレオンマン」て映画、そもそもあまりメジャーじゃないらしく、

映画レビューアプリのレビュー数とか、映画ブログのレビュー記事とか凄く少ないみたい。

ただ、少ない中でもざざっと見た所、

5つのテーマに言及してるレビューや記事はなかった印象なので、

イオニアな気分でノリノリで書いちゃおうと思います!

(自分が思うことのアウトプットトレーニングで始めたブログなので、合ってる間違ってるはどうでもいいのだ!)

 

① 大衆 / 大衆迎合主義批判

これは、この映画を観れば一瞬でわかる、最もわかりやすいテーマ/メッセージです。

他のレビュー等も、基本このテーマ/メッセージに言及しています。

本作品では、一般市民、マスコミ、医学界、裁判所、資本主義社会における経営層、KKKファシズム等を登場させて、

どのレベルでも個人及び集団が少なからず持ち合わせている、扇動や手のひら返しって本当に笑えるよね、的なことを言ってます。

これがもうね、登場のさせ方が、発想力の神様かという。

天才!

そして、映像自体のアイデアと、音楽自体のアイデアが凄まじい。

 

② 行き過ぎた全体主義 権威主義批判(ホロコースト

これも、この映画を観ればわりと一瞬でわかります。

かつ、ウディ・アレン自身ユダヤ人で、

他のウディ・アレン作品にも度々登場するお得意のテーマ/メッセージ。

ただ、本作品の場合、① 大衆 / 大衆迎合主義批判と絡めて提示しているのが、他作品と異なるポイント。

大衆(個人の集合体)は、冷静に怖れていたものに簡単になり得るって事を、もんのすーごく分かり易く映像化している。

天才!

ちなみに、一昨日ベルナルド・ベルトルッチ監督の「暗殺のオペラ」を観たのですが、

まぁまぁ近いこと言ってました。

 

③ 同化・同調 / 心理学

これも、この映画を観れば一瞬でここにテーマ/メッセージがあることがわかります。

ちなみに、このテーマについては、ウディ・アレン自身、「同化・同調は、universal and phycologocal themeだから映画にすれば面白いと思った」的なこと言ってました。

(本人談だけど、知り合いではないからメディア等を通した噂ベースだけど。笑)

ただ、ここに関して、わかりやすい部分とそうでもない部分の2面性があると思ってます。

(ここが面白いポイント!)

 

まず、わかりやすい部分について。

これは、どこか他で検索してあらすじやレビュー等読んでもらえれば多分書いてあると思いますが、

「嫌われたくない、周囲に溶け込みたい、愛されたい」

といういわゆる自己防衛本能と、そうすることで楽に生きられるという本能的生きる術的なことです。

わかる、わかるよ・・

 

つぎに、わかりやすいかと言われたらそうでもない部分について。

これは、わかりやすい部分と繋がるし結局噛み砕くともしかするとわかりやすい部分に行き着くのかもしれないのですが、

・感受性や感性(同じ?笑)と理性や思考の境目と、

・現実と虚構や幻想の境目と、

・自分と他人の境目と、

・自分の意識と無意識の境目と、

・まぁ究極自我 って、

どこにあるの?的なことです。

 

ウディ・アレンて自分でもよく言ってるけど、閉所恐怖症らしい。

(本人談だけど、知り合いではないからメディア等を通した噂ベースだけど。笑)

で、閉所恐怖症って、不安神経症系列。

不安神経症系列って、一般的に感受性や感性が無駄に発達してる場合が多いらしい。

で、感受性や感性が無駄に発達してると、不安(いわゆる不安というか生物として自分と異なるあらゆるもの全てを察知する能力的な意味合い)の感度が高いらしく、

結果自己防衛本能的な順応言動に走りがちらしい。

この辺は、本作品では「究極の社会順応者といえるのではないでしょうか」と表現されてたりします。

(あ、これはウディ・アレンが自己投影している訳ではなく、自分とは異なる架空の人物として主人公を描いてるのだけども、ただ、少なくともこの主人公の心情をわりと容易に想像可能とする何らかの実体験または経験に値する疑似体験や感覚があるのだと思う。じゃないと、こんなに鋭く描写できない。。)

 

で、これ行き過ぎると、

自分のオリジナルの感情や感性がどれかわからなくなって、

自分の人格が不明になり、自己崩壊に陥ります。

 

結構これ、リアル。

なので、私今必死で文字書いてるもん。笑

自分の感情や感性がどれかを、

少なくとも自分の中だけでは、絶対殺さずに自分で感じ切ることって、

基本だし簡単なことなはずなのに、

幻想であるはずの固定観念や偏見等に押しつぶされてやめてしまったりして、

実は本当に難しいことになってしまってる。おー怖!笑

 

そんな大切なことを、絶妙に突きつけてくれてます。

 

あと、この辺を、多分、フロイトとかシュールレアリスムとかと絡めて落とし込んでて凄く面白いのですが(これも実は他のウディ・アレン作品にも度々登場するお得意の手法だったりする)、

私の文章力だとそこ全く説明しきれないので今回は端折ります。

 

④ フェミニズムではないが女性への敬意

基本的に全作品共通で、ウディ・アレンの描く女性は、

単に下らないラブコメの1要素なだけにみえがちだけど、

良い悪いはさておき男性のアクセサリー的要素は全くない。

自然な形で常に女性への敬意に溢れてると感じる。

(これ、うまく言えないんだけど、事実なんだ〜!笑 そして台詞にも出てくる。)

 

単純な所でいくと、自分の意志があったり、自分の興味のあることに対して行動していたり/行動を起こそうとしていたり、好きな仕事を続けてたり。

 

例えば、本作品でいくと、フレッチャー博士は、最初医学界で批判されてたけど、(実績を出したこともあるけれども)信念を貫き通したことで宇宙の真理(後述⑤の通り)に到達した。素晴らしい。

 

感情的にも、理性的にも、生物的にも、心の底から女性を尊敬してる感じが伝わってくる。

(ただし、これはあくまでも私見というか感覚的な話なので私が脳内補完してるだけかもしれない。笑)

 

⑤ 愛 / 宇宙レベルの真理

だめだ・・一番重要な話なのに言語化力尽きてきた。。笑

これは、本作品では結構さらっと軽いノリで提示されてます。

これ、本記事冒頭の、【まとめ - 何がそんなに凄いのか】3. と関連してます。

 

多分すぐばれるので自首しますが、

本記事冒頭の【まとめ - 何がそんなに凄いのか】3. には、「後述の5つのテーマ/メッセージ⑤と関連してます。」と書いてます。

双方に、関連してるとだけ書いて、要は私何も中身語ってないです。

今日は力尽きたのと、

また別途後日ウディ・アレンご本人特集記事できっちり言及しますのでご容赦下さい。

(意外と有言実行したいタイプなので信用してほしい。)

 

 

 

【おさらい】

皆さん忘れてると思うので、もう一度言っておきますが、

これ、たった80分の映画だから!

80分で全部すっきり完成させてるの!

凄すぎる!!いや、むしろ恐いわ。神。

 

 

上記は、現時点の、自分が思うこと・自分の言語化レベルでの文章なので、

今後も引き続きカメレオンマンの考察を続けたいな〜!!

 

 

最後に、実はサービス精神旺盛なので、

私が好きな「カメレオンマン」の台詞をいくつかご紹介。

といきたいけど、権利関係等ちょっとよくわからないので、

こんな感じ的な解釈を加えて記載。笑

 

「父親の最期の言葉は『人生は意味のない苦痛の連続』」

 

「まず自分になることが重要

 人のマネをすれば大丈夫と思うのは危ない

 自分で考え、怖がらず口に出そう!

 ここは自由の国アメリカ、大丈夫!

 だって現に私は脱爬虫類になれたよ〜」

 

「悪趣味?いやいや。元々彼は野球観戦が好きで、『白鯨』なんかを読むメンズではないでしょ」

 

「人間おかしくなれば何でもできちゃうよ〜」

 

 

ちなみに、これもまた別途後日ウディ・アレン特集記事にしますが、

ウディ・アレンて神の存在/不在についてずっと考えてるみたいで(現時点の結論は無神論者らしいけど)、

私からすると、

そりゃいくら探しても考えてもいるわけないよね、だってあなたが神やん!

て感じですね。

 

 

はい、以上です。